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発達障害のタイプ別 療育アプローチ:LD(学習障害)

はじめに

LD(学習障害)は、知的発達には大きな遅れがないにも関わらず、「読む」「書く」「計算する」などの特定の学習領域に困難を抱える発達障害です。子どもによって特性が異なり、適切なサポートが必要となります。

本記事では、LDのタイプ別に効果的な療育アプローチを紹介し、子どもが学びやすい環境を作るための工夫を解説します。


1. LDの主なタイプと特徴

LDは大きく分けて3つのタイプに分類されます。

タイプ特徴具体例
読字障害(ディスレクシア)文字の読み取りや音の認識が苦手文字がぼやけて見える、音読が極端に遅い
書字障害(ディスグラフィア)文字を書くことや、正しく書き写すことが困難漢字が覚えられない、字が崩れて読めない
算数障害(ディスカリキュリア)数の概念や計算の理解が難しい繰り上がり・繰り下がりが苦手、数字の並びを覚えられない

子どもの特性を理解し、それぞれに合った学習サポートを行うことが重要です。


2. 読字障害(ディスレクシア)の療育アプローチ

🔹 目的: 文字の読みやすさを向上させ、スムーズな読解をサポート

📌 具体的な療育方法

  • フォントを工夫する(UDフォント・ディスレクシア用フォント)
    → 視認しやすいフォントを使うことで、文字が判別しやすくなる
  • 音読を強制せず、読み上げソフトを活用する
    → 文字を目で追いながら耳で聞くことで、読解力を補強
  • 指や下敷きを使いながら1行ずつ読む練習
    → 文字が飛んでしまうのを防ぐ

📍 ポイント
音と文字を結びつける練習をすると、読みの理解が深まる
「読めない」ことを叱らず、「どこまで読めたか」を評価する


3. 書字障害(ディスグラフィア)の療育アプローチ

🔹 目的: 文字を書く際のストレスを減らし、書くことへの抵抗感をなくす

📌 具体的な療育方法

  • タイピング学習を活用し、手書き以外の方法を取り入れる
    → 手書きが苦手でも、パソコンやタブレットで学習できる
  • ひらがな・漢字の成り立ちをイラストやアニメーションで学ぶ
    → 書くことだけに頼らず、視覚的に覚える
  • 大きめのマスを使った練習や、指でなぞるトレーニングを行う
    → 書く感覚をつかみやすくする

📍 ポイント
「書くこと」よりも「伝えられること」を重視し、負担を減らす
誤字を指摘するのではなく、「がんばって書いたね」と努力を評価する


4. 算数障害(ディスカリキュリア)の療育アプローチ

🔹 目的: 数の概念を理解しやすくし、計算の困難を軽減する

📌 具体的な療育方法

  • 具体物を使って視覚的に数を学ぶ(積み木・おはじき・ブロック)
    → 数字だけではなく、実物でイメージをつかむ
  • 「指で数える」ことを許容し、段階的に暗算力を育てる
    → 指を使うことで数の感覚が身につく
  • 計算アプリや電卓を活用し、計算へのハードルを下げる
    → 計算の負担を減らし、問題解決のプロセスに集中できる

📍 ポイント
「答えを早く出す」よりも「数の理解」を大切にする
文章問題が苦手な場合は、図やイラストで補助する


5. LDの子どもを支える環境づくり

🔹 目的: 子どもが学びやすい環境を整え、学習へのストレスを軽減する

📌 具体的な療育方法

  • 学習サポートツールを活用する(タブレット学習・音声読み上げソフトなど)
  • 学習時間を短く区切り、「できた!」を増やす(ポモドーロテクニック)
  • 「なぜできないの?」ではなく「どうすればやりやすいか?」を一緒に考える

📍 ポイント
無理に詰め込まず、成功体験を積み重ねることが大切
「みんなと同じ方法」でなく、「その子に合った方法」を見つける


まとめ

LD(学習障害)は、一人ひとり困りごとが異なるため、それぞれに合った学習方法を見つけることが大切です。

読字障害(ディスレクシア): フォントの工夫、読み上げソフトの活用
書字障害(ディスグラフィア): タイピング学習、視覚的な漢字学習
算数障害(ディスカリキュリア): 具体物を使う、数の概念を視覚的に学ぶ

「学べない」のではなく、「学び方が違うだけ」という視点を持ち、子どもが自信を持って学べるようサポートしていきましょう!✨

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